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持続可能な制度 <年金・マクロ経済スライド制>

3月定例議会中の民生常任委員会です。
この議会では42の議案が出ており、そのほとんどが予算ですが、民生常任委員会に付託され審議すべきは議案が6件と請願1件です。

条例改正など議案6件については、実施にあたって様々な要請を申し上げながら、原案通り可決すべきものといたしました。

問題は、物価上昇に見合う公的年金の引き上げを求める請願です。

まずは年金について所感を言わなければなりません。
年金は物価上昇率に合わせて年金支給額も上下する物価スライド制となっております。
これを平成16年から「マクロ経済スライド制」が導入されました。

マクロ経済スライド制とは、年金受給世代が増え現役世代が減少する少子高齢社会にあっても、年金制度が持続可能であるために、人口バランスの変化と一人当たりの年金額との関連づけをする、年金額改定の仕組みです。
単純には、物価上昇率をそのつど年金額に変動するのでなく、数年間の物価上昇率で計算するものです。
物価上昇率がマイナスのときには、そのまま年金額をマイナスにするのでなく据え置いて、物価上昇のときはマイナス分と差し引いて年金額を据え置く、というものです。

今年の年金額は、かつて物価がマイナスの時の分を清算する最後の年であります。
よって年金額は据え置くことになります。

それに対して請願分を読むと、昨年の物価上昇率が今年の年金に反映されていないから、今年の年金支給額は昨年の物価上昇にあわせて緊急措置として支給するべきとしております。

緊急措置として、つまり緊急経済対策という意味あいながら、その中身は「マクロ経済スライド制」つまり制度がケシカランとなっているのです。

どちらかハッキリしてもらいたい。
制度論なのか緊急経済対策なのか?
緊急経済対策ならば理解できるものがあります。
制度論つまりマクロ経済スライドがいけない、というのでは反対です。

先も触れましたが、増える年金受給者、減る現役世代。
マクロ経済スライドは年金受給者に厳しいものがありますが、年金は受給者のみならず、年金保険料を納めている現役世代の人たちのためのものでもあります

つまり持続可能な年金制度が求められているのです。

その点を指摘すると、請願者と請願の紹介議員も納得をし、緊急経済対策の意味合いでの年金引き上げを求めるものとする請願と意見書に変えました。

市民生活に直結する議案を審議する民生常任委員会。
国会でいえば厚生労働委員会、もっとも対立案件があるところです。
そのような委員会を円滑にできたことで良しとしましょう。


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by shibuma | 2009-03-10 22:12
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山形県議会議員 渋間かすみのブログです。議会や議員活動の報告をしていきます。


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